コラム2.オフィスの環境問題
深刻化する環境問題を解決するには、オフィスの生活も見直す必要があります。
紙ゴミや古くなったオフィス家具など、これらをどうやって処分するべきでしょうか?環境問題への取り組みは、モノの捨て方にポイントがあるのです。
他人事ではない オフィスのゴミ問題
世界中で環境問題は年々深刻化してきています。そのうちのひとつにゴミ問題があります。
日本ではどれくらいのゴミが出されているのでしょうか。
日本中で出されているゴミの量は年間5,059万トン、1人1日あたり、約1kgのゴミを出している計算です。
生活系のゴミは67%、事業系ゴミは32.7%と、生活系のゴミは圧倒的に多いですが、一般廃棄物を最終的に処分する、いわゆるゴミ埋立地はあと13年、産業廃棄物の埋め立て地はあと6年ですべて埋まってしまうという厳しい状況になっています。
よって、家庭はもちろん、オフィスでもゴミを出さないようにする努力が必要不可欠です。
小さなオフィスでもできる「3つのR」
ゴミを出さず、循環させる仕組みを持った「循環型社会」を作り上げるための努力が続けられています。循環型社会を目指すにあたって、大切なキーワードとして「3つのR」が提唱されています。
「3つのR」とは、
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Reduce(リデュース)
……ごみを減らす、もしくは出さないようにすること。
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Reuse(リユース)
……修理したりクリーニングしたりして、再び使うこと。
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Recycle(リサイクル)
……いったん使われたものを資源化して別のものに作り変えて利用すること。
使用したオフィス家具は買い取ってもらい、次に使う家具はリユース品を選ぶように心がける、これも立派なエコ活動なのです。会社の規模や人数に関わらず、不要になったからといってすぐに捨てるという方法を選ばず、別の場所や、他の方法で活用できないかを考える習慣を身に着けることが大切なのです。
少しの心がけでできるエコ活動
さらに、こんなことも立派なエコ活動につながります。
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ゴミはきちんと分別する
案外、これができていないオフィスは多いです。
ペットボトルは、周囲のラベルとふたをはがし、プラスチックゴミとして、ペットボトルだけにする。お弁当やお菓子の袋の多くはプラスチックゴミです。 -
食事はできるだけ残さず食べること。
なんと日本人の残飯の排出量は朝・昼・夕食のうち、1食分は残している計算になっているのです。
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消灯時間を作る
ある大手企業では、昼休み中、人のいないフロアの電気はすべて消す、という取り組みを行っています。
会議室や応接室などは、昼休みに利用することが少ないからです。 -
裏紙を利用する
コピー用紙の裏紙をできるだけ活用しましょう。メモ帳にしたり、重要なものでなければ裏紙で印刷するなど・・・。
ただ、個人情報や社内の重要情報などが含まれている書類は裏紙利用を避けましょう。個人情報の思いがけない流出を避けるため、一切の裏紙使用を禁止している企業もあるようです。
企業の社会的責任を考える
先ほど、「産業廃棄物の埋め立て場はあと6年で埋まってしまう」と説明しましたが、実は平成14年度の日本全体が、「3つのR」を元に、エコ活動を実践してきた結果と言えるでしょう。オフィス家具やOA機器など、使えるものはリユースし、ゴミを出さないようにするのは当たり前になっているのです。
また、こうした取り組みは、企業において重視されているCSR(企業の社会的責任)にも通じており、すでに多くの企業がCSR活動の一環として実践しています。環境破壊は世界中で大きく広がっている問題ですが、ゴミ問題だけでなく、地球温暖化も、自然破壊も、日々の営みの中で積み重なって起きたことです。「会社ひとつが取り組んでも意味がないのでは」と考えるのではなく、日々のちょっとした積み重ねこそが大切です。
参考資料:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等について(平成16年度)」
「産業廃棄物の最終処分場の残存容量等について(平成16年4月1日現在)」
Valuable information
Last update:2019/3/7